スーパースターとうれしいご縁ができました

騎手の夏のローカル生活は、「通い」と「滞在」の二つのタイプに分けることができます。遠征先に腰を落ち着けて、毎朝の調教に精を出し、競馬にも乗るのが「滞在」。普段は栗東にいていつも通りの生活をし、開催日だけ競馬場に行って乗るのが「通い」です。ボクの修業時代は「滞在」。所属していた武田作十郎厩舎は、大挙して小倉に移動して、ほかの競馬場には目もくれない(昔の厩舎は多くがそうでした)スタイルでしたから、ボクもその一員として活動していました。懐かしい思い出です。
いまは、なんとなくの小倉滞在です。週半ばには色んな競馬場で交流レースに騎乗することが多いので、その場所によっては自宅にも帰ります。でも基本は小倉にいるようにしています。食べ物が美味しいので、家内も大好きなんです。と言っても、彼女に言わせると一番食べ物が美味しいのはフランスのリゾート地にあるドーヴィル競馬場なのだそうで、今年も1週間だけですが向こうに行って乗る予定を立てています。まあ、基本的にボク自身もドーヴィルは大好きなんですけどね。
先週の小倉競馬はすごい雨の中での開催でした。特に日曜日の1、2レースは珍しいほどの豪雨で、一時は開催中止も検討されたのだとか。ただ、ボクの感覚では(ヨーロッパではもっと凄い雨の中でも競馬をやります)あのぐらいの雨は馬には影響しません。事実、馬たちは健気に走っていたでしょう? 乗っているほうは、そんなに危ないとも思っていませんでした。
あの雨の中、ソフトバンクホークスの松中信彦選手が小倉競馬場にいらしていたのには驚きました。だって、前日のオールスター戦で2本もホームランを打ったあのヒーローが、なにげなく競馬場にいらっしゃるんですよ。聞けば競馬は一番と言っていい趣味なのだそうで、「日曜日にゆっくり競馬場に来る機会なんて滅多にあるものではありませんから」と、馬券を最終レースまで楽しんでおられたのだとか。息子さんがボクのファンというのも、驚きとともに大きな喜びでした。今度は、ボクが博多のゲームを見せてもらう約束をさせてもらい、スーパースターとうれしいご縁ができました。


